「今やろうとしたのに!」は言い訳?親のイライラをなくして子どもの主体性を育む声かけ「今日の心づもりは?」

更新日 2026年6月12日

夕方の忙しい時間、リビングで繰り広げられる

「まだ〇〇してないの?早くしなさい!」

「今やろうとしたのに、言われたからやる気なくなった!」

こんな親子バトル。

毎日繰り返されるこの不毛な応酬に、ヘトヘトに疲れていませんか?

「本当にやろうとしてたの?」「どうせ言い訳でしょ」とイライラを募らせ、

つい怒りすぎては夜に自己嫌悪に陥る……そんな悩みを抱える保護者も少なくありません。

この記事では、そんな“言い争いの火種”になりがちなやり取りを、子どもの主体性を育てるチャンスに変える「魔法のことば」とその使い方を、わたしの実体験を交えて詳しく解説します。

「今やろうとしてたのに!」幼い子どもならかわいいセリフだけど……

「〇〇しなさい!」

そう言った瞬間、4〜5歳くらいだった我が子がこう返してきました。

「今やろうとしてたのに!」

その瞬間、わたしは思わず笑ってしまいました。

なぜなら、そのセリフに強烈な既視感があったからです。

わたし自身が、中学生の頃によく使っていた言葉だったのです。

「勉強しなさい」「早く準備しなさい」

そう言われるたびに、「今やろうとしてたのに」と言い返していました。

本当にそうだったこともあります。

でも正直に言うと、そうではないこともありました。

まだやる気になっていなかったり、後回しにしようと思っていたり。

それでも、「今やろうとしてたのに」と言っていました。

親に注意されたくなかった。

言い負かされたくなかった。

自分が悪かったと認めたくなかった。

そんな気持ちもあったと思います。

だから4〜5歳の我が子の口からそのセリフを聞いたとき、

「口が達者になったなあ」と思うと同時に、

「これは将来なかなか手ごわそうだな」とも思いました。

「今やろうとしてたのに!」の厄介なところ

このセリフが親の神経を逆なでするのは、単に子どもが動かないからだけではありません。

実は、この言葉が「嘘か本当か、客観的に検証できないずるい言い訳」だからです。

子どもが本当にやろうとしていた瞬間だったのか、それともやっていなかったことへの苦し紛れの言い訳なのか、親には確かめる証拠(客観的な事実)がありません。

  • 親が「嘘でしょ?」と決めつければ、子どもは「本当だし!」と意固地になる。
  • 証拠がないのに一方的に判断されたと感じ、子どもは余計にこじれる。
  • 親は「客観的にわからないのをいいことに、ずるいセリフを言って!」とさらにストレスが溜まる。

まさに、どっちも引けない【不毛な水掛け論】の泥沼です。

わたし自身、思春期の頃に親への口答えの「最強の武器」として、このセリフを連発していました(笑)。

嘘だとバレない絶妙なラインだからこそ、子どもにとっては都合がよく、親にとってはこれ以上なくむかつく言葉なのです。

幼いわが子の「今やろうとしたのに!」を聞いたとき、ふと思いました。

今はまだ笑っていられる。

でも小学生になり、中学生になり、

思春期や反抗期と呼ばれる時期になったらどうだろう?

きっとわたしは、「またそのセリフ?」とイライラする気がする。

だったら今のうちから、この不毛な言い争いを減らす方法を考えておこう。

そう思ったのです。

言い訳をゼロにする解決策:客観的な「スケジュール確認」

この水掛け論を終わらせるには、後から「やろうと思ってた」と言い訳させないための「客観的な事実(証拠)」を、事前に親子で共有しておくことです。

後からあーだこーだ言い合うのがストレスなら、事前に「何時に何をやるか」をはっきりさせておけばいいのです。

ただし、ここで親が「5時に宿題、6時にお風呂!」と一方的に決めたスケジュールを押し付けてはいけません。

それはただの「命令」であり、子どもは「管理されている」と感じてやっぱり反発します。

大切なのは、子どもの意見(主体性)を100%反映したスケジュールを、一緒に確認することです。

そのために使えるのが、魔法の声かけです。

子どもの主体性を引き出す魔法の言葉「今日の心づもりは?」

実践ステップ:親子で「整った関係」を築くために

事前にスケジュールを共有するとき、声をかける前に一言、こう聞いてみてください。

「今日の心づもりは?」

この問いかけを使うことで、子どもは「命令された」のではなく「自分の意思を聞かれた」と感じ、当事者意識(自分で決める力)が育ちます。

実践は以下の4つのステップです。

1. その日の予定を一緒に確認する

今日やることは何か。

何時頃にやるつもりなのか。

どんな順番でやろうと思っているのか。

そんなことを親子で確認します。

たとえば、

  • 宿題
  • 習い事
  • お手伝い
  • 毎日の習慣
  • 今日やりたい遊び

大切なのは、親が一方的に決めないこと。

子どもの考えも聞きながら、一緒に予定を確認します。

2. 親が声をかけるタイミングを子どもに決めさせる

子どもが決めたスケジュール。

親は子どもに任せて見守るだけ。

とはいっても、やると決めた時間になっても子どもが動かなかったら、イライラしてしまいます。

「決めたのに、まだやらないの?」と言って怒ることは簡単です。

でも、それでは子どもの反発はやっぱり防げません。

「今やろうとしてたのに!」につながる声かけになってしまいます。

だからいっそ、その対策もしておきます。

「時間になったら教えてほしい?それとも10分前に言う?」と、リマインドの方法まで、事前に子ども選と一緒に確認しておきます。

これだけで「やる時間だよ」と言ったときに、「今やろうとしてたのに!」の反発を防げます。

3. 時間が来たら、事実だけを淡々と伝える

約束の時間になっても、まだ子どもがやり始めていないときは、

怒るのではなく「〇〇の時間だよ、あと何分で始められそう?」と客観的な事実だけを伝えます。

事前に共通の確認(証拠)をしている。

しかも、子どもが自分で決めたこと。

子どもが親に反発する芽は事前に摘んでいる状況なので、お互いに、嫌な気持ちにならずにすみます。

4. 親の心に「遅れる可能性」のゆとりを持っておく

とはいえ、「やる時間だよ」と子どもに声をかけても、子どもがすぐに取り掛かるとは限りません。

「もうちょっと待って」

「ゲームがセーブできるところまで」

「今読んでいる漫画、キリがいいところまで読ませて」

こうなること、とても多いと思います。

決めたことを守らせて、すぐやるように叱ることは簡単です。

だから、リマインドの声かけタイミングを決めるときに、子どもにこの可能性を考えてもらいます。

そのうえで、声掛けのタイミングを子どもに決めてもらうことが大切です。

それでも、子どもが「もう少し待ってほしい」と伝えてきたら、

「あと何分ぐらいかかる?」

「ママは〇時までにはやってほしい(理由も伝えるとより良い)」と話し合ってみましょう。

決めた時間を無理に守らせるだけではなく、 こうした対話の積み重ねは、お互いの状況を尊重し合う、「整った関係」を築くために欠かせません。

子どもは自分が尊重されていると感じることで、より主体的に行動するようになります。

主体性は結果として育つ

子どもの主体性が育つ、魔法のフレーズ「今日の心づもりは?」

最初の目的は、親子の無駄な言い争いを減らすことでした。

お互いを尊重しあう「整った関係」を築いて、イライラの悪循環を断ち切るために生まれたフレーズ。声かけの習慣。

でもその過程で、子どもは「いつやるか」「どう進めるか」を自分で考えるようになります。

つまり、自分で決める経験を積み重ねていくのです。

その結果として、主体性も育っていく。

「今日の心づもりは?」そう問いかけることが、お互いのイライラがなくなり、子どもの主体性も育つ、とても素敵な習慣になりました。。

10代の反抗期の今でも役立っている「今日の心づもりは?」

「そんな上手くいく?」「小さいうちだけじゃないの?」と思うかもしれません。

だけど、わが家がこの「事前に客観的に心づもりを確認しておく」という習慣は、子どもが大きくなった今でも、むしろ今の方がその効果を身に染みて実感しています。

子どもが10代になり、いわゆる「思春期・反抗期」を迎えた現在、子どもは自分のテリトリーを侵害されることに敏感です。

テリトリーが侵害されたと思った途端に、激しく反発してきます。

だけど、「今日の心づもり」で共有している行動に関しては反発する土壌はありません。

この仕組みが、親であるわたしのメンタルを反抗期のストレスから強力に守ってくれているのです。

「大きいから手遅れ」なんてことはありません

「うちはもう子どもが小学生(あるいは10代)だから、今さら習慣づくりは遅いかも……」と思った方も安心してください。この仕組みは、大きくなってからスタートしても十分に効果を発揮します。

むしろ、ある程度大きくなっているからこそ、「後から言い合ってお互いイライラするの嫌だし、最初に時間を決めておかない?」という大人のロジカルな話し合いが通用します。

子どもにとっても、「最初に自分で時間を決めさえすれば、その時間までは親から一切『早くしなさい!』とガミガミ言われずに済む」という、自分の自由とプライドを守るための嬉しいメリットになります。何歳から始めても、遅すぎるということはありません。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。

「今日の心づもりは?」は、子どもを魔法のように動かす仕組みではありません。

子どもが自分で決めたスケジュールでも、実際に行動できないことはあります。

特に、

  • 勉強が難しくてわからない
  • 運動が苦手で気が重い
  • 失敗するのが怖い

そんなときは、「やる気」の問題ではなく、「できるようになるための支援」が必要な場合もあります。

それでも動けないときは「やる気」ではなく「別の原因」があるかも

「今日の心づもりは?」で時間を決めても、いざその時間になるとどうしても足が止まってしまうことがあります。

それは子どものサボりではなく、「勉強が難しくてわからない」「どこから手をつければいいかパニックになっている」など、子ども一人の力では超えられない壁にぶつかっているサインかもしれません。

ここで親がガミガミ言うと、せっかくの『心づもり』の習慣も台無しになってしまいます。

そんなときは思いきって、生活習慣は親が整えるけれど、「勉強のサポート」だけは思い切ってプロ(家庭教師や塾)に外注するという選択をしてみるのもいいかもしれません。

親という近すぎる存在だからこそ、子どもは甘えや言い訳が出ます。(詳しくは、当ブログの別記事『家庭学習でイライラしない方法:親が教えない選択が、親子の笑顔を守る』に書いてあります。)

親が教えないと決めるだけで、驚くほどリビングからイライラが消えていきます。

親子がともに笑顔でいられることが、家庭で一番大切です。

まとめ:親は「子どもの味方」の役割に全振りしよう

「今やろうとしたのに!」という不毛な水掛け論は、「今日の心づもりは?」という事前の確認という小さな仕組みで防ぐことができます。

親は「自分で時間を選べたね」「今日も頑張ったね」と、子どものありのままを認めて応援する味方に徹する。

そのためには、必要に応じてプロの手を借りてもいい。

それこそが、今現在のリビングの空気を整え、さらに未来の思春期バトルをも予防する、最も確実な「種まき」になります。

まずは今日、夕方のバトルの前に「今日の心づもりは?」と優しく問いかけることから、始めてみませんか?

この記事で伝えたいこと

  • 「今やろうとしてたのに!」は本音のこともあれば言い訳のこともあり、親には判断できない。
  • 真偽を争うよりも、事前に予定を共有した方が親子の衝突を減らしやすい。
  • 子どもが自分で予定を考える経験は、結果として主体性を育てることにつながる。
  • 「今日の心づもりは?」は、子どもだけでなく、将来の親自身の心も守ってくれる。

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