「先に宿題!」がNGなワケ。子どもの主体性が育つ魔法の習慣

「早く宿題しなさい!」この一言で、せっかくの笑顔が消えてしまう……そんな経験はありませんか?やるべきことを後回しにしない習慣は大切。でも、その言葉が親子バトルの火種になったり、子どもの「自分で考える力」を奪ったりするとしたら?

実は、わが家も同じ悩みを抱えていました。ある日、子どもが「家では楽しいことだけをしたい」と言ったんです。この言葉をきっかけに、「宿題は家でやるもの」という思い込みを捨ててみたところ、信じられないような変化が起こったのです。

「やらされる勉強」から「自分からやる勉強」へ

わが家は今、家では全く勉強せず宿題を学校で終わらせてくるのが当たり前になりました。終礼前の空き時間や放課後、友達と協力しながら済ませてきます。もし学校で終わらなければ、翌朝早く登校してやるというスタイルです。

この方法を始めた当初は、学校で済ませてこなかった日には、「明日寝坊したらどうするの?」「朝の時間で終わる内容なのかな?」と不安でいっぱいでした。もしかしたら、実際に宿題が間に合わなかった日があったかもしれません。わたしには全く勉強している姿が見えないので、ちゃんと宿題を提出したのか確認したくてたまりませんでした。でも、しつこく確認をすることは、「宿題しなさい」といっているのと同じことになってしまう。学校から連絡が来るまでは、黙って見守ろうと腹をくくりました。すると、子どもは自分で決めたことだからと、責任感を持って宿題に取り組むようになったのです。

心理学でわかる「主体性が育つ理由」

心理学の研究(自己決定理論, Deci & Ryan)によると、人が意欲をもって行動するには次の3つの欲求が満たされることが大切だとされています。

  1. 自律性(autonomy):自分で選びたい
  2. 有能感(competence):できる!という手ごたえを感じたい
  3. 関係性(relatedness):信頼され、つながりを感じたい

「宿題をいつ・どこでやるか」を子ども自身に委ねることは、この“自律性”を満たすことにつながります。自分で決めた計画が親に認められ、計画通り宿題をこなすことで、自分はちゃんとできるという手ごたえ=有能感が高まります。さらに、親が見守っていて必要なときだけサポートすることで「関係性」が育ちます。結果として、子どもは「やらされる勉強」から「自分からやる勉強」へとシフトしていくのです。

宿題の時間を決めなくてもいい魔法の習慣

いつ宿題をするか事前に決めていなくても大丈夫です。

「宿題はいつやるの?」と管理するのではなく、以前の記事でご紹介した魔法の言葉を使ってみてください。

毎日帰宅したときに一言

「今日の心づもりは?」

これだけで十分です。

そして、お子さまの「心づもり」を黙って見守ってあげてください。お子さまは子どもは「自分で考えた計画を尊重してもらえた」と感じ、親子の信頼関係が深まります。

魔法の言葉「今日の心づもりは?」とはどういうものか気になる方はこちらの記事をどうぞ

記事:今日の心づもりは?──子どもの主体性と親の心の余裕を守る“魔法のことば”

親の役割は「管理」から「応援」へ

子どもの主体性を引き出すには、親が「管理する人から「見守る応援者」へと役割を変えることが重要です。

  • 宿題の様子をじっと見守る
  • 困っていたら「どうしたの?」と寄り添う
  • 失敗しても「次にどうすればいいか」を一緒に考える

もちろん、中には「早く宿題を終わらせて、すっきりした気持ちで遊びたい!」というタイプのお子さまもいます。その場合は“先に宿題を済ませる”方が安心につながります。大事なのは、親が一方的に決めることではなく、子ども自身が自分に合ったやり方を選べることです。

完璧な子育てマニュアルはありません。大切なのは、その子の気持ちに耳を傾けながら、一緒にやり方を探していくことです。

今日からできる実践チェックリスト

  • 帰宅時に「今日の心づもりは?」と聞く
  • 宿題のやり方やタイミングは子どもに任せる
  • 失敗しても叱らず、「次はどうしよう?」と問いかける
  • 見守りながら、必要なときだけサポートする

「ただいま!」と帰ってきたお子さまの顔に、笑顔が広がる毎日を大切にしていきましょう。

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