完璧主義を手放した日|育児のイライラを減らし、心の余裕を作る方法

更新日 2026年8月13日

「ちゃんとしなきゃ」と思うほど、子育てが苦しくなっていませんか?

子どもの食事や睡眠、生活習慣。
家事もきちんとこなしたい。
子どもとの約束も守りたい。
できれば、子どもの気持ちにも丁寧に寄り添いたい。

どれも大切なことだからこそ、気づけば「あれもこれも」と抱え込んでしまいます。

でも、すべてをちゃんとしようとすることで、親の心に余裕がなくなり、かえって子どもにイライラしてしまうこともあります。

わたし自身、子どもが3歳頃のある雨の日に、そんな自分に気づきました。

土砂降りの広場で途方に暮れたわたしが手放したのは、子どものために頑張ることではありません。

「全部ちゃんとしなければ」という完璧主義です。

この記事では、その経験をもとに、育児で「ちゃんとしなきゃ」と頑張りすぎてしまうとき、何を大切にして、何を手放せばいいのかを考えてみます。


【経験談】土砂降りの広場で、途方に暮れたわたし

あれは、わが子が3歳頃の出来事です。

保育所からの帰り道。

いつもは途中にある公共施設の遊び場に寄り道することもありましたが、その日は買い物を済ませたかったので、朝から「今日は寄り道しない」と約束していました。

その日は、けっこうな雨。

二人で傘をさしながら、

「ぴちぴち、ちゃぷちゃぷ」

と、ご機嫌で帰っていました。

ところが、途中にある遊び場が目に入った瞬間、子どもが、

「遊びたい!」

と泣き出しました。

「今日は寄り道しないって約束したよね」

そう言っても、泣きやみません。

雨の中、泣き叫ぶ子どもを無理やり抱えて帰ることもできず、わたしは子どもと一緒に公共施設の中の広場で立ち尽くしてしまいました。

頭の中では、いろいろなことがぐるぐる回っていました。

「約束は守りたい」

「でも、このままだと買い物ができない」

「夕食の準備も遅れる」

「お風呂も遅くなる」

「寝る時間までずれてしまう」

「だったら、今日は少しだけ遊ばせた方が早く帰れるんじゃない?」

「でも、泣いて要求すれば約束を変えてもらえると覚えてしまうかもしれない……」

子どもの泣き声を聞きながら、わたしはどんどん焦っていきました。

そして、その焦りが伝わるように、子どももなかなか泣きやみません。

今思えば、子どもが泣いていることだけが問題だったわけではありません。

「このあと全部ちゃんとしなければ」と追い詰められていたわたし自身が、余裕をなくしていたのです。


「今日、お風呂に入れなくても何が問題なんだろう?」

そんなとき、ふと考えました。

「今、わたしが一番大切にしたいことは何だろう?」

そして、腹をくくりました。

「もう、全部ちゃんとするのは無理だ」

買い物をして、栄養バランスを考えた夕食を作って、お風呂に入れて、いつもの時間に寝かせる。

その全部を今日も完璧にやらなければならない。

わたしは、いつの間にかそんなふうに考えていました。

でも、

「お風呂なんて、一日入らなかったぐらい何が問題なんだ?」

と思ったのです。

体調が悪ければ、お風呂に入らない日だってあります。

どうして、そこまでお風呂にこだわっていたんだろう。

そう考えた瞬間、ふっと肩の力が抜けました。

買い物ができなくてもいい。

夕食がいつも通りに作れなくてもいい。

お風呂に入れないなら、それでもいい。

今日どうしても守りたいのは、

子どもとした約束。

そして、子どもの「遊びたい」という気持ちは受け止めながらも、「今日は遊ばない」という約束は変えないこと。

そこに絞って考えてみることにしました。


「約束は守る。でも、悲しい気持ちは受け止める」

わたしは泣いている子どもに、できるだけ穏やかに声をかけました。

「寄り道しないお約束だったから、今日は遊べないよ」

「遊びたかったんだね。悲しいね」

「気が済むまで泣いていいよ。気持ちが落ち着いたら帰ろうね」

それまでのわたしは、

「早く泣きやんで」

「もう帰らなくちゃ」

「どうしよう」

と、自分自身も焦っていました。

でも、「今日は何を大切にするか」を決めたことで、子どもの泣き声を少し違った気持ちで聞けるようになりました。

子どもを説得して、早く泣きやませようとするのではなく、

「遊びたかったんだね」

と、その気持ちを受け止める。

そして、

「でも、今日は約束したから帰るよ」

と伝える。

しばらくすると、子どもも少しずつ落ち着き、泣きやみました。

そのときわたしは気づいたのです。

子どもが泣いていたこと以上に、「全部ちゃんとしなければ」という思い込みが、わたしを苦しくしていたのだと。


完璧を手放すことは、「何でもいい」にすることではない

「完璧主義をやめる」と聞くと、

「家事をサボること?」

「子どものことを適当にすること?」

と思うかもしれません。

でも、わたしがこの日に実感したことは、そういうことではありません。

むしろ、

大切なものを守るために、大切ではないものを手放す。

ということです。

たとえば、

  • 子どもとの大切な約束は守る
  • 子どもの気持ちは受け止める
  • でも、今日の買い物は諦める
  • 夕食は簡単なもので済ませる
  • お風呂は入らなくてもいい
  • 家事が残っても、明日に回す

そんなふうに、「今日はここまで」と決める。

全部を100点にするのではなく、その日に本当に大切なものを選ぶ

それだけでも、親の心には少し余白が生まれます。


「やるべきこと」は、理由まで考えてみる

「今日はこれをやらなきゃ」と思うことがいくつも重なると、どれも大切に思えて、ますます焦ってしまいます。

そんなときは、「やる・やらない」をすぐに決めるのではなく、

「わたしは、どうしてこれをやろうとしているんだろう?」

と、その理由まで考えてみます。

【例えば、こんな場面】

雨が続いていて、晴れたら保育所の帰りに公園で遊ぶ約束をしていました。

ところが、久しぶりに晴れた日が、欲しかった日用品のセール日と重なっています。

さらに、冷蔵庫を見ると緑の野菜もなくなっていて、夕食の買い物もしたい。

公園で遊んでから買い物をすると、帰宅時間が遅くなりそうです。

そうすると、子どもと一緒に片付ける時間もなくなり、夕食やお風呂、就寝時間まで遅れてしまうかもしれません。

「全部やらなくちゃ」と考えると、途端に苦しくなります。

そこで、一つずつ「なぜ、それをするのか?」を考えてみます。

1.公園で遊ぶ

公園で遊ぶ理由は、前から子どもと約束していたから。

「公園に行く」という行動そのものより、

子どもとの約束を大切にしたい。

という思いがあります。

今日公園に行くことは、単なる遊びの予定ではなく、親子で決めたことを大切にする機会でもあります。

だから、この日はわたしにとって優先したいことでした。

2.セールで買い物をする

セールで買い物をする理由は、「安く買えるから」。

もちろん、必要なものなら買っておきたいものです。

でも、

「今日買わなければ困るものなのか?」

と考えてみると、必ずしもそうではないかもしれません。

今日を逃すと少し損をする。

でも、明日買っても生活に大きな支障はない。

それなら、「今日は買わない」という選択もできます。

3.栄養バランスの整った夕食を作る

子どもの健康を考えれば、できるだけバランスのよい食事を用意したいと思います。

でも、それは「毎食完璧でなければならない」という意味ではありません。

今日だけ簡単な食事にしたとしても、数日、あるいは一週間という単位で考えれば、別の日に調整できます。

「野菜が足りないから、今日は絶対にちゃんと作らなきゃ」と自分を追い込むより、

「今日は簡単に済ませて、また別の日に整えればいい」

と考えてみる。

それだけでも、気持ちはずいぶん楽になります。

4.子どもと一緒に片付ける

子どもと一緒に片付けることは、生活習慣を身につけるうえで大切なことです。

でも、その日の公園でたくさん遊んで、親子ともに疲れていたらどうでしょう。

「今日は一緒に片付ける」と決めていたとしても、

「今日はわたしが片付けて、習慣づくりは別の日にしよう」

という選択もできます。

大切なのは、今日一日できなかったからといって、習慣づくりがすべて失敗するわけではないと知っておくことです。

5.就寝時間を守る

一方で、睡眠を大切にしている家庭なら、就寝時間はできるだけ守りたいもの。

「今日くらい遅くなってもいい」と考えることもできますが、

「これは我が家では大切にしたい」

と思うなら、優先順位を上げてもいい。

ここでも、「何が正しいか」ではなく、

「自分たちは何を大切にしたいのか」

で考えることがポイントです。


「今日じゃなくてもいい」を見つける

こうして一つずつ理由を考えてみると、「やらなきゃ」と思っていたことの中にも、

「今日じゃなくてもいいこと」

が見えてきます。

公園は、子どもとの約束だから今日は大切にする。

就寝時間も、我が家では大切にしたい。

でも、セールの買い物は明日に回せる。

夕食は簡単なものにしてもいい。

片付けも今日は最低限でいい。

そんなふうに、

その日に本当に大切なものを選び、それ以外は少しずつ手放していく。

それが、わたしが「全部ちゃんとしなければ」と思って苦しくなったときに、心の余裕を取り戻すために意識していることです。

子育てでは、毎日同じように予定通りにはいきません。

だからこそ、

「今日は何を大切にする?」

そして、

「そのために、何なら明日に回せる?」

と考えてみる。

そんな小さな選択が、育児のイライラを減らし、親の心に余白を作ってくれることがあります。


心の余裕があると、子どもの気持ちを見る余裕も生まれる

あの日、わたしが「全部ちゃんとする」ことを手放したことで、子どもへの向き合い方も変わりました。

それまでは、

「泣いている」

「早く泣きやませなきゃ」

「帰らなきゃ」

「買い物しなきゃ」

「夕食を作らなきゃ」

と、次々に「やらなければ」が頭に浮かんでいました。

でも、

「「今日は寄り道しない」という約束を大切にする」

という一つのことに絞ると、

「遊びたかったんだね」

と、子どもの気持ちを見る余裕が生まれました。

もちろん、いつでも穏やかに対応できるわけではありません。

今でもイライラすることはあります。

だからこそ、「いつでも心に余裕を持とう」と自分に課す必要もないと思っています。

大切なのは、

余裕がなくなったときに、自分を責めるのではなく、「何か一つ手放せるものはないかな?」と考えてみること。

なのではないでしょうか。


完璧なママ・パパより、「全部を抱え込まない親」でいたい

子育てをしていると、毎日たくさんの「ちゃんと」が積み重なります。

ちゃんと食べさせる。

ちゃんと寝かせる。

ちゃんと片付ける。

ちゃんと話を聞く。

ちゃんと約束を守る。

ちゃんと家事をする。

どれも大切です。

だからこそ、全部を同じ強さで守ろうとすると、親の心が先に疲れてしまいます。

そんなときは、

「今日、本当に大切なことは何?」

と、一度立ち止まってみる。

そして、

「そのために、何なら手放せる?」

と考えてみる。

「今日は夕食を簡単にする」

「洗濯物は畳まない」

「部屋が散らかっていても気にしない」

「お風呂は明日にする」

そんな小さな「まあ、いっか」が、親の心に余白を作ってくれることがあります。

完璧な親になる必要はありません。

全部をちゃんとこなせなくても、子どもを大切に思う気持ちがなくなるわけではないのです。

あの日、土砂降りの広場でわたしが手放したのは、家事そのものではありません。

「全部ちゃんとしなければ、いい親ではない」という思い込みでした。

もし今、「あれもこれもやらなきゃ」と苦しくなっているなら、まずは一つだけ、

「これは明日でもいいか」

と手放してみることから始めませんか。

親の心に少し余裕が生まれれば、子どもの気持ちを受け止める余裕も生まれるかもしれません。

そして何より、親自身が少し楽に呼吸できること。

それも、子どもと過ごす毎日の中では、大切なことなのだと思います。

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