はじめに:外出時の「困った」を解決する究極のアイテム
1〜3歳のお子さんを持つ保護者の方にとって、外出時の「ぐずり」や、自我が芽生えることによる「イヤイヤ」は大きな悩みですよね。
外出時のぐずり対策にお気に入りのおもちゃが有効だけれど、持っていくのが重かったりなくすのが怖かったり。とくにサブスクのおもちゃの場合は紛失のリスク、余計に考えてしまいますよね。それに、状況によってはおもちゃを取り出す余裕がなっかい場合も。
そんな親御さんの悩みを、たった「両手」だけで解決する魔法の遊びがあります。それが、「おててパペット」あそびです。
これは、自分の手をキャラクターに見立てて会話を楽しむ、究極の「手ぶら」あやし術。準備なし、コストゼロ、場所を選ばないこの遊びは、ぐずり対策から、なんとイヤイヤ期のお子さんへのしつけにまで活用できます。この記事では、わが家で大活躍した「おててパペット」のすごい効果と、具体的な活用法をご紹介します。
おててパペット遊びの3つのすごい効果
なぜ、このシンプルな「手遊び」が、特に1〜3歳のお子さんの心と発達に響くのでしょうか。
1. 瞬時の注意切り替え!「とっさのぐずり」を封じる
この遊びの最大の強みは即時性と柔軟性です。
- 「今だ!」のタイミングを逃さない: ベビーカーや抱っこ紐で「そろそろ機嫌が悪くなりそう」と感じた瞬間、パッと手を動かすだけで遊びをスタートできます。
- 「ないしょ話」で集中力をアップ: 周囲が気になる公共の場では、パペットを耳元に寄せ、小さな声で「〇〇ちゃん、ないしょだよ」と話しかけます。子どもは特別なこととして集中し、自然と静かに遊びに引き込まれます。
- 子どもの気持ちに柔軟に対応:手をキャラに見立てているので、保護者がハムスターキャラのつもりで話しかけても子どもが妖怪キャラを求める反応を返してきたら、すぐに妖怪キャラにチェンジできます。
2. 子どもの想像力と共感性を爆発させる「見立て遊び」
手をキャラクター(ハムスターや妖怪ぬえなど!)に見立てる行為は、子どもの想像力を育む最高の訓練です。
ごっこ遊び・見立て遊びの研究では、この遊びを多く行っていた子どもほど、他者の感情理解(共感性)が発達しているという関連性が示されています。
3.しつけにも応用できる
天使系キャラと悪魔系キャラを設定することでしつけにも応用できます
キャラクターの種類 | 役割と活用シーン | 効果 |
天使系パペット | 正しいルールや、ママ・パパの気持ちを優しく伝える。 | 子どもが素直に聞き入れるきっかけを作る。 |
悪魔系パペット | 子どもの「わがままな気持ち」「いたずら心」に寄り添う。 | 子どもが言えない本音を代弁し、共感を示す。 |
【ポイント】 子ども本人ではなく、パペットという「第三者」に注意する・共感することで、子どもの反抗心や抵抗感を減らし、遊びの延長線上で大切なルールを受け入れることができるようになります。この「パペットに先にイヤイヤさせる」方法は、様々な場面で活用できる魔法のしつけ術です。
おててパペット遊びで培う3つの大切な能力
この遊びは、子どもたちの言語能力や社会性の基盤を築きます。
1. 想像力・創造力の土台を築く
- 重要性: 目の前の「手」(現実)を、ハムスターや妖怪といった「キャラクター」(非現実)に置き換える行為は、抽象的な思考力と、イメージを形にする創造力を養います。
- 根拠: 保育士向けの専門情報でも、「見立て遊びは、観察力やイメージ力の発達に良い影響を与える」ことが指摘されています。
2. 言語能力とコミュニケーション能力の劇的な発達
- 重要性: パペットと会話する中で、言葉のキャッチボールのルールを自然と学びます。子ども自身もパペットキャラになることで、「自分以外の誰か」として話す機会を持ち、語彙力や表現力が豊かになります。
- 根拠: 専門家は、「1歳ごろは、見立て遊びの中で言葉や物を認知する」と述べており、言葉の爆発期における認知能力の向上に不可欠です。
3. 社会性・共感性(心の理論)の獲得
- 重要性: 役割を演じることは、**「相手の気持ちや立場を理解する力」**を育みます。
- 根拠: この力は、心理学において**「心の理論(Theory of Mind)」**と呼ばれます。Dunnらの研究では、早期に「ふり遊び」(見立て遊びやごっこ遊び)を多くしていた子どもほど、他者の感情理解が発達していることが示されています。
【実践編】天使と悪魔パペットで「イヤイヤ」を味方につける裏ワザ
おててパペットは、遊びだけでなく、イヤイヤ期の子どもへの「しつけ」や「注意」にも効果を発揮します。
わが家の活用例を参考までにご紹介します。
活用例:「帰りたくない!」のイヤイヤ対策
帰宅時間になっても帰りたがらないとき、親として𠮟りつけるのではなく、パペットを「召喚」します。
- 親として伝える: まずは親として「もう帰る時間だよ」と伝えます。
- 悪魔系パペット召喚: 子どもが駄々をこねる予兆を察知したら、すかさず悪魔系パペットを召喚!
- パペットに先に駄々をこねさせる: 子どもがぐずる前に、悪魔パペットに「えー!もっと遊びたい!帰りたくなーい!」と先に駄々をこねさせてしまいます。
- 悪魔系パペットをさとす: 親は天使系パペットを召喚するか、親自身が「悪魔ちゃん、だめだよ。そろそろお家に帰らなきゃだよ」とパペットをさとします。
- 子どもを味方につける:「○○ちゃんも、悪魔系パペットに教えてあげて」と子どもを味方に引き込んでしまいます。
- 成功!: 子どもは、自分が注意される側から、駄々をこねるパペットをわとす「親の味方」側にまわるため、スムーズに帰宅の方向へ誘導できます。
まとめ:ちょっとの勇気で、子育てが楽に楽しく
「人前で手を動かして遊ぶのは少し恥ずかしい」と感じる方もいるかもしれません。
でも、安心してください。小さな声で楽しそうに遊んでいる親子の姿は、周りから見ればとても微笑ましいもの。気になるなら、ないしょ話やこそこそ遊びのように「小さな声で遊ぶのが楽しい!」ルールにしてしまいましょう。
「おててパペット」は、ぐずりやイヤイヤ期の心強い味方であり、子どもの想像力と言葉の力を育む最高のツールです。今日からでも、ぜひ試してみてくださいね!
おててパペットが効く理由(要点まとめ)
- 定義: 自分の手をキャラクターに見立てて会話する、手ぶらでできる遊び。
- 対象: 1歳から3歳のイヤイヤ期の子ども。
- 効果: ぐずりの瞬時な注意切り替え、想像力・共感力アップ、しつけへの応用。
- 活用法: 天使系と悪魔系のパペットで、子どもの気持ちを代弁・共感してからルールを伝える。
主体性を育む子どもの遊びやおもちゃに興味がある方へ。
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この記事を読んでくださり、ありがとうございます。
思春期の子どもを持つ50代母です。
かつて仕事で子育てセミナーを企画運営する中で、専門家の知見や多くの親の悩みに触れてきました。
自身の経験とプロの視点を踏まえ、親の心のゆとりと、子どもの主体性を尊重する姿勢が大切だと確信。
このブログでは、ずぼらな面もあるわたしが、無理せずラクに心地よく暮らすヒント、完璧じゃなくてもいい工夫を発信することで、あなたの子育てを優しく”ととのえる”お手伝いをしたいと考えています。