これまで私は、ブログ記事執筆にAIを活用する際、個人的な意見が入り込まないよう、あえてシークレットモードで質問し、その回答を客観的な証拠として提示してきました。
しかし最近になって、この「生成AI活用法」自体に大きな勘違いがあったことに気づきました。今回は、AIについて理解が深まる中でわかった真実、そしてこれからの記事執筆とAIとの正しい向き合い方についてお話しします。
過去の記事の信頼性がゆるがない理由
まずご安心ください。これまでご紹介した時短家電やおもちゃサブスクの記事は、今でも自信をもっておすすめできる内容です。
当時のわたしは、AIの回答を記事の客観性を保証する証拠として使っていました。単に「わたしが調べた限りでは」と書くだけでは説得力が弱いと感じ、わたしが調べたおすすめ結果だけでなくAIの回答結果のスクリーンショットを記事に加えることで情報の客観性を担保できると考えていたのです。
ただし、一度のAIの回答をそのまま情報の客観性の「根拠」として扱うことは正しくありませんでした。
過去の勘違い:「生成AIは客観的でブレない」
データ調査をしていた経験から、わたしはAIの回答をこのように考えていました。
- シークレットモード=客観的でブレない回答: 検索履歴がなければ、誰が質問しても同じデータから同じ結果を導き出すはず。
- 「おすすめ〇選」は常に同じ: 決まったデータの中から条件を絞り込むのだから、結果も毎回同じになるだろう。
しかし、これは大きな誤解でした。
実は、AIは「決定論的(Deterministic)」ではなく、「確率論的(Stochastic)」な存在です。簡単に言うと、AIは「サイコロを振って次の言葉を選ぶ」ようなもの。質問内容が同じでも、毎回少しずつ違う答えが返ってくるのです。
生成AIとの価値観の「偶然の一致」が気づきを遅らせた
最初にAIを使って書いた時短家電の記事では、AIとわたしの価値観がほとんど一致していました。特に「食洗機が1位」という点は、ChatGPTもGeminiも揃って同じ回答。わたし自身の経験とも合致していて説得力がありました。
次のおもちゃサブスクサービス記事でも同様で、AIの回答とわたしの調査結果に大きな差はありませんでした。これらの「偶然の一致」によって、わたしはAIの回答を「客観的でブレないもの」と勘違いし続けてしまったのです。
AIの真の強み:「多角的な視点」の発見
おもちゃのサブスク記事の深掘り記事を書こうと、同じ質問を繰り返したとき、以前とは違う回答が出てきました。このとき、わたしはAIが確率論に基づいて動いていることを思い出したのです。
AIは質問内容に応じて、コスト、安全性、利用者数など、様々な評価軸のどれを重視するかを毎回少しずつ変えています。これが、同じ質問でも回答が変わる理由でした。
これはAIの不安定さにも見えますが、実はAIの真の強みともいえます。人間はどうしても特定の観点に偏りがちですが、AIは「客観的」というよりも、複数の視点から物事を捉える「多角的な」回答を提示してくれるのです。
新しく見つけた最強のAI活用方法:「AI+わたし」の検証プロセス
わたしはこれまで、自身の経験に基づいた情報収集をしてきました。これは間違いではありませんが、人間は「情報の取りこぼし」や「視野の偏り」が生じてしまいがちです。
そこでAIの出番です。AIに問いを投げかけることで、わたしの見落としていた観点や、考えもしなかった新しい情報を網羅的に提示してもらえます。AIの「多角的な視点」と、わたしの「厳密な検証プロセス」を組み合わせることで、一つの意見に偏らない、より広く、バランスの取れた結論を導き出すことができます。この検証プロセスが最強のAI活用方法です。
これから【AI+わたし】の記事は、次の新しいルールで作成します。
- AIの回答は「口コミ」をまとめたものだと認識する
- AIが学習しているのは、インターネット上に存在する様々な情報です。その中には、正しい情報、古い情報、偏った情報、そして口コミも含まれます。AIの回答は、それらをAIなりに要約したものです。それは不特定多数の「誰かの主観」の集合体であり、口コミのように参考にはなりますが、信頼できる公式情報とは違います。だから、AIの回答は「わたし」を補完する参考データとして扱います。
- 同じ質問を複数回繰り返して検証する
- AIの確率的な性質を逆手に取り、複数の回答を比較することで、回答の再現性や安定性を測ります。共通して挙げられるサービスや、回答のブレがない情報を特定することで、より信頼性の高い情報を抽出していきます。
- AIの多角的な視点+わたしの経験=信頼できる情報
- AIが提示した多種多様な情報の集約データに、実際に子育てをしているわたしの生の声や評価を加えて初めて、わたしが心から皆さんにお伝えしたい信頼できる情報となります。
この新しいプロセスを通じて、あなたに心から「おすすめ」できる情報をお届けしていきます。
まとめ:生成AIは万能ではない。でも、最強のパートナーになれる
生成AIは万能ではありません。でも、その特性を理解して賢く付き合えば、わたしたちの足りない視点を補ってくれる強力なツールになります。
過去の記事作成プロセスでは、わたしのAIに対する勘違いがありました。でも、その経験があったからこそ、今回、AIとのより正確で信頼できる付き合い方について考える機会を得ることができました。
今後も、わたしの経験とAIの「多角的な視点」を組み合わせた【AI+わたし】記事で、より確かな情報をお届けしていきます。どうぞ、楽しみにしていてください。
この記事を読んでくださり、ありがとうございます。
思春期の子どもを持つ50代母です。
かつて仕事で子育てセミナーを企画運営する中で、専門家の知見や多くの親の悩みに触れてきました。
自身の経験とプロの視点を踏まえ、親の心のゆとりと、子どもの主体性を尊重する姿勢が大切だと確信。
このブログでは、ずぼらな面もあるわたしが、無理せずラクに心地よく暮らすヒント、完璧じゃなくてもいい工夫を発信することで、あなたの子育てを優しく”ととのえる”お手伝いをしたいと考えています。