先生との相性が学習意欲を左右する
お子さんがなぜ勉強を頑張るのか、考えたことはありますか?
学習塾や家庭教師を選ぶとき、つい料金や教材ばかりに目が行きがちです。しかし、実はその選択が成功するかどうかは、もっとシンプルなことにかかっています。
どんなに良い教材やシステムも、先生と生徒の関係がかみ合わなければ、効果は半減してしまいます。逆に「この先生となら頑張れる」と感じられる関係が築ければ、学習は驚くほど前向きに進んでいきます。
元講師が語る「相性」の重要性
学生時代に複数の場所で講師をしていた私が強く感じたのは、生徒が勉強を頑張る理由が、先生によってまったく違うということでした。講師のタイプもさまざま、生徒のタイプもさまざま、相性のパターンは無限にあります。
- 話術が巧みな先生
- 授業がエンターテイメントのように面白く、生徒から絶大な人気を誇ります。「先生と友達みたいに楽しく学びたい」というタイプの子は、この先生の授業なら喜んで出席し、どんどん吸収していきます。
- 人柄で勝負する先生
- 一人ひとりの生徒に誠実に向き合い、丁寧に指導する先生を心から信頼する子もいます。「わからない」を安心して聞ける、そんな関係が彼らの学習意欲を支えます。
- アイドル的な人気の先生
- 憧れの存在として生徒のモチベーションを高めるタイプです。「あの先生に褒められたい」「喜んでほしい」という思いが、生徒を自ら勉強へと駆り立て、驚くほどの成長を促します。
正直なところ、同僚の私から見て「この先生、大丈夫かな…?」と思うような、少し頼りない先生もいました。しかし、その先生に「頑張ったね!」と褒められたい、喜んでほしいという一心で、生徒が自ら進んで勉強に取り組み、成績を大きく伸ばす姿を何度も見てきました。
この経験から、会社の指導マニュアルや優れた教材が学習の土台にすぎないと痛感しました。その土台に火をつけ、生徒の心を動かすのは、やはり信頼関係なのです。指導の成果は、結局のところ、先生と生徒の間に築かれる「感情のつながり」にかかっていると、強く実感しました。
お子さんのタイプ別!先生との相性の「重要度」
実は、相性の重要度は、お子さんの性格によって少し異なります。
1. 勉強が苦手・嫌いなお子さんの場合
このタイプのお子さんにとって、先生との相性は特に重要です。
勉強への苦手意識や嫌悪感は、学習意欲を阻害する大きな壁です。この壁を乗り越えるには、まず「勉強は嫌なものじゃない」と感じてもらうことが大切です。
先生との楽しい会話、褒められたときの喜び、些細な成長を認めてくれる安心感。これらがネガティブな感情を和らげ、「この先生と一緒なら頑張れそう」という前向きな気持ちを芽生えさせてくれます。
2. 主体的に学習できるお子さんの場合
主体的に学べるお子さんにとっても相性は大切ですが、指導内容や教材が「刺さる」かどうかが、特にモチベーションに直結します。
親としては「内容が物足りないのでは?」と感じることがあっても、お子さん自身が納得している教材や指導法が、学習を継続させる一番の鍵になります。このタイプのお子さんの場合、先生に「教わる」だけでなく、自分の意見を伝え、一緒に学習計画を立ててくれるような関係性が理想的です。
わたしの経験上、主体的に学ぶ子は教材にもこだわりを持っていることが多いです。たとえば、うちの子は参考書を選ぶ際、内容の濃さよりも「視覚的に読みやすいか」を重視しています。その方がストレスなく頭に入ってくると言うのです。足りない部分は自分で調べると割り切っていて、わたしが選ぶ際に重視するポイントとはまったく異なっていました。でも、自分で選んだ参考書の方が学習意欲が格段に違います。
このように、お子さん自身の「こだわり」を尊重することが、学習を継続させる鍵となります。
先生との相性を確認するためのヒント
多くの塾や家庭教師サービスでは、無料体験や面談の機会があります。このチャンスを最大限に活用し、お子さんと先生の相性をぜひ確認してみてください。
- お子さんの表情や態度をよく観察する:
- 先生と話しているとき、お子さんは楽しそうか、リラックスしているか?
- 先生の話し方や雰囲気をチェックする
- 質問しやすい雰囲気か、お子さんの話に耳を傾けてくれるか?
- 塾の場合は見学も活用する
- 授業の雰囲気や、自習スペースの環境など、実際に足を運んでみて初めてわかることも多いです。
- お子さんの正直な感想を聞く:
- 授業後、「先生、どんな感じだった?」と聞いてみましょう。保護者の印象よりもお子さまの意見の方が大切です。
料金や教材の比較も大切ですが、それ以上に「この人となら頑張れる!」と心から思える先生を見つけることが、成功への一番の近道です。ぜひ、資料請求や体験授業を積極的に利用して、お子さまにとって最高の出会いを探してみてください。
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この記事を読んでくださり、ありがとうございます。
思春期の子どもを持つ50代母です。
かつて仕事で子育てセミナーを企画運営する中で、専門家の知見や多くの親の悩みに触れてきました。
自身の経験とプロの視点を踏まえ、親の心のゆとりと、子どもの主体性を尊重する姿勢が大切だと確信。
このブログでは、ずぼらな面もあるわたしが、無理せずラクに心地よく暮らすヒント、完璧じゃなくてもいい工夫を発信することで、あなたの子育てを優しく”ととのえる”お手伝いをしたいと考えています。