「成績が上がらなければ返金」。
塾や家庭教師の成績保証制度、とても魅力的に聞こえますよね。「損はない」と思ってしまう気持ち、よくわかります。
でも、ちょっと待ってください。この制度、実は使い方を間違えると、お子さまとの関係にヒビを入れてしまう落とし穴になる可能性があります。
この記事では、あなたの家庭がその落とし穴にはまらないよう、成績保証が合う家庭と合わない家庭の違いを徹底的に解説します。
成績保証の仕組みとメリット・デメリット
まず、成績保証制度がどのようなものか再確認しましょう。
多くの塾や家庭教師の成績保証は、以下の仕組みで成り立っています。
- 成績が上がらなければ、一定期間の授業料が返金される。
- 返金には「課題を提出すること」「授業を休まないこと」などの条件がある。
- 保証の対象は入塾時の成績が平均点以下など、特定の生徒に限定されることがある。
一見、リスクがなく安心できる制度に見えますが、この「条件」こそが、メリットにもデメリットにもなり得る鍵なのです。
【メリット】
- 安心感: もし成績が上がらなくても金銭的な負担が抑えられる。
- モチベーション: 条件達成が明確な目標となり、子どものやる気を引き出すきっかけになる。
【デメリット】
- 親からのプレッシャー: 親が「せっかくだから元を取りたい」と過剰な期待を抱き、子どもを追い詰めてしまう。
- 子どもの負担増: 成績保証のために課題が負担となり、逆に勉強嫌いを助長する可能性がある。
「もったいながり」なわたしが成績保証に向かない理由
わたしは、スーパーで特売品を買いそびれてしまうと、たった数十円のことでもすごく損した気分になります。家族がよかれと思って定価で買ってきた日には、「なんで今日じゃないの?」とつい言ってしまい、せっかくの好意を台無しにしてしまうことも。
そんなわたしが、もし「成績保証」システムの塾を利用したらどうなるか。
成績が上がらない
↓
成績保証の条件(課題をさぼらない、授業を休まないなど)を満たせていない
↓
結果、お金が返ってこない
この状況になったとき、わたしはきっと、冷静ではいられません。「せっかく成績保証があったのに、なぜちゃんとやらないの!」と、子どもを責めてしまう自分が容易に想像できるからです。
責めても解決しない、親子関係の負のスパイラル
「どうして課題をやらなかったの?」
この言葉の裏には、「せっかくのお金が無駄になるのに!」「なぜちゃんとやらないの!」という怒りが隠れています。そして、その不満は、親子の信頼関係に深い溝を作ってしまいます。
子どもの「どうして?」には必ず理由があります。
- 「難しすぎてどこから手をつければいいかわからなかった」
- 「他にやりたいことがあって集中できなかった」
- 「先生に質問するのが恥ずかしかった」
これらの根本的な問題は、親が責めても解決しません。むしろ、プレッシャーでさらにやる気をなくし、勉強自体を嫌いになってしまうリスクが高いのです。
逆に、子どもの方が「もったいながり」な家庭には成績保証は効果的
一方で、お子さまがわたしみたいな「もったいながり」タイプなら、成績保証は強力なモチベーションになるかもしれません。
わたしみたいなタイプは、成績が上がらなくても課題などをちゃんとやっていたら、成績保証での返金分を還元するといわれたら、がぜんやる気を出してしまいます。
- 「ちゃんとやったら成績が上がって嬉しい!」
- 「もし成績が上がらなくても、ちゃんと課題をこなしていれば、返金されたお金で努力がちゃんと報われる」
このように、努力が「成績アップ」か「返金」という形で必ず報われるため、「無駄にしたくない」という気持ちをエネルギーに自ら勉強に取り組めるようになります。
まとめ|成績保証は「損をしないため」ではなく、「子どもの成長を支える手段」として選ぶ
成績保証は、あくまで学習をサポートするツールの一つに過ぎません。「損をしないため」に利用するのではなく、お子さまの成長を支える手段として捉えることが、後悔しない選択につながります。
親子関係を守るためのチェックリスト
成績保証の塾を検討する前に、次の問いを自分に投げかけてみてください。
- 子どもが条件を守れなかったとき、自分は冷静でいられるか?
- 結果がどうであれ、子どもの努力を認められるか?
- 成績保証を「子どもの味方」として使えるイメージを持てるか?
もしこれらの問いに少しでも不安を感じたら、無理に成績保証にこだわる必要はありません。お子さまの性格や家庭の教育方針に合った、別の方法を探すのも賢明な選択です。
逆に、お子さまが成績保証制度をうまく活用できるタイプの場合は、とても心強い学習の味方になります。
ぜひ、ご家庭のタイプにあった塾や家庭教師を選んで、お子さまの充実した学校生活をサポートしてあげてください。
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この記事を読んでくださり、ありがとうございます。
思春期の子どもを持つ50代母です。
かつて仕事で子育てセミナーを企画運営する中で、専門家の知見や多くの親の悩みに触れてきました。
自身の経験とプロの視点を踏まえ、親の心のゆとりと、子どもの主体性を尊重する姿勢が大切だと確信。
このブログでは、ずぼらな面もあるわたしが、無理せずラクに心地よく暮らすヒント、完璧じゃなくてもいい工夫を発信することで、あなたの子育てを優しく”ととのえる”お手伝いをしたいと考えています。